術後の包帯の意味

術後の包帯固定は、医師によりクリニックにより指導の仕方も様々である。

ただ、膨大な包茎手術の症例から言わせていただくならば、術後3日間は医師が術直後にしっかりと固定したまま、患者には交換させずにそのまま過ごすように指導するのが一番無難である。

なぜならば、包茎手術後の包帯固定の第一義は傷口の縫合を保護することにあるのではなく、圧迫により止血を促進し、包皮内に血液が貯留凝固すること(血種)を防止することにあるからである。

創部に抗生剤軟膏を十分に塗布し、抗生剤の内服も処方している限りは、よほどのことがない限りは感染化膿などは起こるものではない。また、1日1回包帯交換してその際に消毒などさせたところで、どれほどの効果があるのかは疑問である。

それどころか、埋没気味の患者であれば包帯固定が難しく、患者としてはしっかり包帯を巻いたつもりでも実際はうまく固定できておらず、日中の起居動作の間に徐々に包帯がずれた状態になり、最終的に外れてしまい、出血の度合いによっては血種を引き起こす要因になるのがオチである。

他院での手術の修正手術を希望して当院を訪れる患者から、前のクリニックにおける質疑応答の様子を聞いていて感じるのは、術後の指導についてもマニュアル的な説明に終始し、それぞれの指導の意味が十分に患者に伝わっていないケースが多いということである。

術後の注意事項も主要な部分については、看護師やコメディカル任せにするのではなく医師自らが説明するべきである。

その意味でも、当院では各所でしつこいほど述べていることではあるが、最初のカウンセリングからまるっきり医師が現れないようなクリニックは、その後の応対に関してもおおよそ察しがつく道理であり、よく検討してから決めた方が賢明であろう。