ドクターズブログ「早漏について」

一般に
(1)膣内射精潜時(膣内にペニスを挿入してから射精までの時間)が短い
(2)射精を自分の意志でコントロールできない
(3)本人もしくはパートナーが精神的に苦痛を感じている
の3つのいずれかに該当するとき、早漏と考えられます。

しかしながら、オーガズムのメカニズムには、様々な心身のファクターが影響しており、同じ個人でもその時々で異なります。
ですから、決して単純に薬で治るようなものではありません。
ちょうど、薬で人の性格の本質部分は変えられないのと同じです。
リドカインなどの表面麻酔クリームを処方されている方がありますが、性行為の本来の喜び、愛の営みとしての側面をまったく無視した愚かな治療としか言いようがありません。
また、抗うつ薬の開発から生まれたダポキセチン含有のポゼットなどの安易な服用にも疑問があります。
むしろ、生理的、神経学的な副作用の方をはるかに心配するべきでしょう。

世の中には、イキたくてもイケない「遅漏」で悩む人もたくさんいるのです。
彼らにとっては、早漏はむしろ憧れです。
ペニスを挿入することだけが、セックスではありません。
自分の性欲のはけ口のようなセックスでは、何時間持続しても、相手の女性に喜びはありません。
行為の後には、疲労と虚無感が残るだけの話です。
15分、20分は持続して欲しいという女性へのアンケート結果もありますが、それの意味しているのは、15分間勃起状態を持続したままピストン運動して欲しいという意味ではありません。
誰しも映像や小説で興奮した経験があるはずです。
ペニスを挿入どころか、洋服すら着たままの状態なのに、どうしてあれだけの興奮と悦びが得られるのでしょう。
興奮するのも、イクのも、頭の中でのできごとです。
ここに解決の鍵が潜んでいます。

早漏に悩む方は、医師や病院、クリニックに助けを求める前に、まずは本当のエクスタシーを探る必要があります。
そして、何かアイデアが見つかれば、それをパートナーと実践してみることです。
繰り返しになりますが、女性が絶頂を感じるのは、延々と続くピストン運動ではありません。
女性が本当にパートナーに望んでいるのは、愛の冒険、脳内ファンタジーです。
物理的な刺激は補助に過ぎず、萎えたなら指でもよいのです。

愛のファンタジーの中で、ペニスの果たす役割は道具に過ぎません。
亀頭にヒアルロン酸を注入するのはそれなりに効果はありますが、それはセックスの営みをドラマ・演劇と捉えるならば、あくまでも俳優や小道具を引き立てる以上のものではありません。
どんなに豪華なセット、どんなに素敵な俳優が演じても、肝心のストーリーが陳腐だと何の感動も覚えません。
そもそも、ピストン運動による摩擦刺激だけなら、電動ドリルに敵う男などこの世にいませんから。

早くイクならば、何度もイケばよいのです。
イッた後、回復するのに時間がかかるのを気にしているならば、それこそ女性の本当の悦びが理解できていないということです。
道具など一切使わなくとも、レズビアンの女性はお互いに最高のオーガズムに到達できます。
これらをヒントに、素晴らしい関係を築いていかれますことを祈っています。